失われた時を求めて - スワン家の方へ 1 -

素晴らしい小説でした。
本当に文学の遺産というべき小説です。この小説の何処が良いのか? そう問われたとしたら、「主人公の幼い頃の淡い夢と、主人公を取り巻く狭い世界を追想している景色に共感するから」、と答えることにします。散漫的で話の本流を掴みにくい作品ですが、そういった散漫さがむしろ主人公の追憶のプロセスを語っているように思えます。