東京BABYLON

オススメのコミックということで、全巻一気に買って読みました。主人公は陰陽師で、「これは霊と主人公の対決モノ」なのかと思いきや、話の力点は術にあらず、東京で暮らしている人々の心の闇との対話でした。想像していたストーリー展開とは少々異なっていたため、読みながら感心しておりました。【術を用いて悪い霊を払う】のではなくて、術は霊と対話するための道具、手段でしかない― 霊と会話し、その無念の理解者となることで成仏させるといったプロセスが私にとっては新鮮そのものでした。
毎回短編として完結しています。それぞれのお話は、今となっては何処かで一度は聞いたことのあるストーリーでしたが、毎回解決方法が、対話から理解を得るという流れからメッセージ性がとても強く残ります。変な正義感を押し付けないのが良い、道義的な回答だけではないところが面白い。
課題解決の短編の合間に展開される昴流と星史郎とのストーリーが大変面白く、短編同士を結びつける柱としてだけでなく、短編自身を面白くするスパイスとなっているようです。
一気に読んでしまいましたが、率直な感想としては”対話を通じて相互理解を図る”という方法がこの作品を抽象的に昇華していると思えます。術を用いて悪鬼と戦う、というよくある漫画と一線を画しているのでしょう。昴流と星史郎の二人の関係に関する考察はここでしちゃうとネタバレのオンパレードになってしまうので割愛します( ̄ー ̄)
私は個人的には最後のやさぐれた昴流が良い感じだと思うんですけど、、、どうかなぁ? 世の中の良いこと悪いことを清濁合わせて飲み込んでいた昴流が、大人(星史郎)に勝つために大人になる!っていうストーリー展開に好感が持てます(笑)。だって、大人に勝つには大人になるしかないから。そう考えるのが等身大の少年だとすんなり理解できるから。強くなった昴流を、全力で持ってして相手をするのが星史郎さんの性格だと思えます。
あー、結局少しだけネタバレしちゃいました(´д`;;)
面白い本(漫画でもOK)があったら教えてくださいな。何でも読みますヨ('-'*)

p.s.

"地球を救う戦士の話"をみて、3 X 3 EYESを思い出してしまいました。あと、私が一番好きだったのは、ハンカチの話しかなぁ。何故って? ハンカチということで、自分の中学生時代を思い出してしまいました・・・切ないなぁ。