1 + 1 = 3

私の父は非常に厳しい人でした。でも私が上手く行かない時(そんなのしょっちゅうですがw)、父は良くこんな事を言いました。

1 + 1 が 2 なんていうのは勉強の世界だけだ。んなもん、世の中に出れば 1 + 1 なんて 3 にも 4 にもなる。

私がその本質に気づいたのは大分後のことです。
理不尽な世の中を、その理不尽さ故に理不尽な思いをして怨んだりするものですが、それは裏返すと、世の中は本当は優しい、ということに繋がります。人間、生きていればとんでもない理不尽な目に合う事があります。でも、今の世の中だと、社会のせいなのか教育のせいなのか、失敗することが本当に怖く感じてしまいます。一度でも失敗して本当の後悔の意味を知ってしまうと、世の中の不条理の優しさにふと気づくことがあります。理屈で割り切れないからこそ、世の中は優しい。人は理屈に沿って人を切らないし、理屈通りの成果が出なくても、理屈に従って人を切ったりしないから ―
そんなこんなで、不条理な世の中を大分怨みましたが、今ではむしろこの理不尽さに救われていることが多いです。そんな今になって、1 + 1 = 3 の優しさに気づくのですが、それは失敗する前に理解したかったですね(笑)。いや、挫折したときに擦れてしまわないためのアドバイスとして、父は珍しく私にアドバイスをしたのでしょう :-P