夜行性動物の見る夢

つい先日、薬物による殺害未遂事件が起こりニュースになっています。犯人は少女で被害者はその母親です。その少女の書いていたブログの文章がテレビのニュースに良く映ります。文面を見ると、真っ先に長野まゆみさんの文章を思い浮かべてしまいました・・・
いや、毒殺とか母親殺害と長野まゆみさんの文章は程遠いです。ですが、『のばら』の解説に島田さんという方が - 夜行性動物の夢 - という記事を書いていまして、ふとそれを思い出しました。

普通は他人の都合で昼行性の生活を営むが、まれにどうしても太陽と生活を共に出来ない人種がいる。
(中略)
昼行性の人間は学校や職場に通い(中略)、礼儀正しく社会生活を営む。一方、夜行性の人間は夢見る才能に恵まれていることが多い。芸術家や革命家、娼婦や犯罪者は夜行性の方が適している。
昼間のあいだ、夜行性の人間は劣等感の塊である。食欲もなく、不機嫌で、か細い声で話し、人に会うのを億劫がる。ところが、夜になると、根拠の無い自信や大胆さを発揮し、他人をからかい、罵倒する理屈を弄び、勢いあまって世界を作り変えてしまうくらいの躁状態になる。

私はこの夜行性動物の見る夢を読んだときによほど印象に残っていたのか、いや、のばらの解説として冷めた視点でこのような解説を書いた解説者がずばりとこんなことを書いていたのが衝撃的で覚えていたんですね。