シュレーディンガー方程式

意味不明で難しいと良く言われる学問分野の一つに量子力学というものがあります。その中に有名な波動方程式というものが登場いたします。これを理解できるかどうかというのが、量子力学の第一の関門なのです。何故か因果なことにその後人生の節目節目のときに、このシュレーディンガー波動方程式に救われてきています。ホント、一体何が幸いするのだかわからないものです。
その波動方程式は見た目があまりよろしくありません。一見難しそうに見えて、何だか解く気になりません。でも、あの式は実のところ本当にシンプルで、あの式自体では解くことに意味など無く― その他の条件を含めたときに、初めて解く意味が生じます。そして、一体波動方程式って何を表しているものかというと、電子の存在確率の分布を表しているのです。
電気照明などの光と、太陽電池による充電ってちょうど反対の反応だと思っていませんか? 大きな幸運の後には大きな不運が来るものだと盲信していませんか? 私達はどこか、この世の中が等価交換だなんて勘違いしていませんか? トランプにもしもジョーカーが含まれて居なかったら、ゲームとして魅力が全くないものだと感じたことが一度でもありますか? 科学は何となく等価交換だなんて似非平等のイメージを与えがちですが、それはニュートンさんの物理世界の話であって、実際には森羅万象を細分化して観察してみると、そこには量子力学的な、不可逆でカオスな世界が広がっています。光吸収と発光は逆反応の関係じゃないし、運勢がバランスよく巡ってくるなんていうのも迷信ですし、世の中は等価交換なわけがないし、トランプにジョーカーが入っていなかったら、そんな詰まらないものはありません。もしも世の中がそんなに安定していて、等価交換で、ジョーカーがなかったとしたら、こんなに複雑で、こんなに感情溢れる世界になっているわけがないのです。完全な安定は、それだけで死んでいるような気がするから。・・・それは、天秤が水平に静止している状態を見て釣り合っていると判断するか、同じ触れ幅で揺れ動いているから釣り合っていると判断するかの違いかもしれませんけれど・・・
n → ∞のとき、電子はポテンシャル障壁の中で、遍在していることになる。n ≠ ∞ならば、ある瞬間で世界は何処かで綻び揺らいでいる。「じゃあ、世界はある瞬間に、何処かで破綻しているの?」と聞かれたら、「うん、そうだよ」って答えてあげよう。科学がオカルトを論破できないように、人間は未来永劫ずっと真理に届かない。でもね、だからこそ、その狭間に感動があるんだよ。