理想郷と若者 - web site編 -

理想郷について考えてみたことがあるでしょうか。私は結構この手のテーマが好きでした。理想郷ってどのようなイメージがあるでしょうか? 桃源郷でしょうか。ニライカナイ、それともエルドラド? 実は様々な形で世界中に理想郷の伝説は伝えられています。けれども、実際の理想郷学というと、非常に堅牢に作られた要塞都市のことを指したりもするのです。
理想郷は、非常に閉塞的な社会空間の中で成り立つものです。しかし、理想郷には圧倒的な武力がつき物です。そうでなくては社会を守りきれないから。というわけで、実存した理想郷は複雑な多角形をした要塞でした。それはどの方角から敵が攻めてきても大砲で攻撃できるように― そんな要塞都市じゃあ、理想都市ではないじゃない?って思ったキミ、それは正しいです(笑)。実はね、理想郷っていう閉じられた社会には必ず以下のような特徴がありました。

  1. 圧倒的な武力を持っていること
  2. 閉鎖社会にありがちの通過儀礼が存在すること
  3. 何かしらのギルドを形成していること

昔から、理想郷は相手から侵略されないように、非常に強固な戦力を有していました。それはね、もはや理想郷というよりも、「自らが相手から攻められると思っているから」こそ疑心暗鬼になって戦力をもつような傾向があります。
もちろん、その社会に入るためには何かしらの通過儀礼がつき物です。これは想像に難くないでしょう。
そして、ギルドという言葉が正しいかどうかわかりませんが、このようなコミュニティはギルドという以外に適切な言葉が見当たりません(^^;
話は変わりますが心理学の世界にはアドラー心理学というものがあります。それは『人はみんなの役に立つために生きている。誰もがみんなのために役に立つことをすれば、世の中は平和に過ごせるんだ』といった考え方です。これを信仰している方をアドレリアンといいます。
さて、ココまで話した内容で、一つに繋がるイメージがありませんか? 特に個人WEBサイトって理想郷そのものではないでしょうか?現実の社会では困難な理想郷がインターネットの世界では遍在しているのですよ。例えば、

◆ 掲示板に決まりをつけているサイト「場を荒らすような発言はしないでください。以下のことを守れる方のみ入場して下さい」
◆ 閉鎖と復帰を繰り返す人気サイト
◆ ローカルルールが沢山あるサイト
◆ 荒らし対策などに異常に過敏にガードを施しているサイト

思いつくところが書ききれないくらい、実はあるのです。掘っても掘っても資源が枯渇してきて、ダイヤモンドが採掘できなくなったから、現実を飛び出してインターネットに来た。でも、実はね、無限に錬成できるデジタル空間の中で、一番初めに作ったコミュニティって、結局は理想郷であるのです。すごく因果なものですね(苦笑)。私達は今になって、インターネットの中では無限とも言える特権的時空空間(←この言葉ばかり使ってすいませんw)を手に入れて、初めに作ろうとするコミュニティが理想郷なのです。それは心理学的にも納得のいくような結果ですが、私にはその現実が可笑しくて可笑しくて、ついついwebsiteに垣間見える理想郷について良く考察していたのです。間違いなく私達が年毎に失っているものは、精神的な強さです。今の世代はガラスのような繊細な精神で、パラダイムシフトを駆け抜けている― それは、荊の道のようにも思えるのです。
さて、実は私はそんなことを思いつくきっかけになったのが自分のweb siteでの体験です。私は自分がそんな風に”ひねて”考えているだけに、自分のsiteだけはそんな風になって欲しくなかったのですが、緩慢ながらも理想郷の道を邁進していることにある日気づいてしまうのです。だけどね、本当はね、
本当はね、ただ共感が欲しかっただけだって、ふと思い返すときがあります。そんな些細な"幸せの予感"のなかで、手を伸ばせば空にも届くと信じてた時のなかで、私はその事実に気づくことが出来て本当に良かった―
・・・・・・さて、あなたのsiteは理想郷化していませんか?(笑)
そして、先に話したアドレリアンに関しても、実際にそんなに他人を幸せいっぱいに信じているかといえば、私から見ると、ギルドみたいな仲間内でその社会を形成しているだけに見えて、それって本当に理想郷みたいな閉塞的社会だよね?と思ってしまうのです。医者だってそう。実は世の中は現代においても理想郷に溢れているようについつい思ってしまいます。
もちろん、それが本当に理想社会であるかどうかは別にして、ネ。