クローンに見るディジタルな夢

メイドロボ*1なんてアニメのようなものは、きっと作ることが出来ないでしょう。けれど、そういう発想は、ある種科学というものを偏重*2した見解です。だって、メカニカル的には難しくても、生体的に見ればとても簡単ではないでしょうか。
ディジタルの良いところは、劣化しないことと、複製できることです。それは人間の現実世界に適用することは極めて困難ですが、今述べた”ディジタル”の特性を持つ技術が既にあることに気づく方もいるかもしれません。そう、”クローン”です。人のクローンを作ることは難しい? きっと人型ロボットを作るよりも現実的だと思う人が多いはず。もし、人のクローンが作れるようになれば、まるで私達は自身をディジタルデータのように扱うことが出来ます。寿命が来たら、また作れば良い。複数必要ならば、もう一体生産すれば良い。アーカイビング*3も非常に簡単・・・ それが、クローンに見るディジタルな夢です。
倫理的に正しいかどうかはともかくとして、何故今になって私がこんなことを言うのかと言いますと、ネットサーフィン中に見かけた”ある記事”がきっかけです。例によってソースは出しませんが、小中学生は『人は死んでも甦ると思っている人が多い』というものです。それをみると、大人はびっくりしてしまいます。でも、一概に危険思想だと決め付けてしまって良いのでしょうか。否、違うよね。この場合はどうするんだっけ? そう、パラダイムシフト*4を考慮して、透明な視点で事象を捕らえなくてはいけないんだよね。ゲームが悪い? 確かにそうかもしれない。でも”死んでも甦る”という本質は、実はディジタルのことを指している表現だと気づいてしまえば簡単です。今の子供は、無意識的にディジタルを受け入れてしまっている。それは、ゲームと現実を混同しているのではなく、ディジタル世界としての視点を既に獲得しているということなのです。そりゃ、そうだよね。コンピュータどころか、ネットも当たり前の世の中なのですから。そういう視点でもって見れば、ディジタルとクローンとの結びつきを、本人は意識していなくても、漠然と受け入れているのでしょう。
みなさんは、死んでしまったペットの復活を望みますか? 失ってしまった恋人との再会を夢見ていますか? 永遠の命が欲しいですか? 実はね、これらはディジタルな夢なのですヨ。Dreams in Digitalです。それは叶わない夢? もちろん出来るはずの無い復活、リザレクション*5ですけれど、これはネクロマンシー*6とは違う、黒魔術ではなく、ディジタルな夢のひとつ・・・ 思いっきり沢山の批判が私に送られてきそうですが、その怒りの根拠こそ、この予想が正しいことだって証拠です。私達はディジタルをわかったつもりでも、実は全然本質を理解していません。この予想はとても致命的に思えてしまうのですが、私達が前世紀から引きずってきた『鉄腕アトムに見受けられる未来*7』よりも、もっと具象的で、もっとディジタルな世界だと認めざるを得ません。私よりも若い方に、一度はこのような考えを認識してもらいたいのです。マスメディアに露出している莫迦な批評よりも、ずっとためになるはずです。
さて、話をはじめに戻しましょう。メイドロボなんていう考えは、とても”大鑑巨砲主義的*8”だと思いません?(笑) いや、もちろん、クローニングで作られた生体ロボとしてのメイドロボなんて、全然萌えませんけどね┐(´ー`)┌ コンピュータにもそろそろ限界が来るでしょう。医療にも限界が来るでしょう。それら諸問題がクローンへ収束していく・・・その第四の波*9を私達は経験するのかもしれませんね。
・・・・・・しかし、まぁー、トマス・アクィナスらが一生を掛けて守ってきた、例のアレ的問題がありますから、どうなるかの予測はこのブログには書きません。しかし、これから先、地球上で失われていく種を保存するために、遺伝子のアーカイビングを始めても全然驚きもしませんね(´ー`) むしろみんなは奨励するんじゃないかな? そういう態度こそが、ある意味洗脳されていると私は以前から言っているのです。確かにこのディジタル化が進む世界で、アイデンティファイ*10されることは怖いことですよ。だけれど、その圧倒的な情報のフローに身を任せてしまうと、それは衆愚に流されることになってしまうよ。いいかい、その上流で私達の意志の方向を決定している上部構造があって、それを透明な視点で認識することがメディアリテラシー*11ですヨ。私達はそれを永遠の相*12に見て、自分が乗るべきフローを認識しなくてはいけません。

*1:マルチとか

*2:偏った考え、見方

*3:保存すること

*4:クーンが提唱。社会通念の大きな変化。アルビン・トフラーが多用した

*5:復活

*6:死霊魔術。死者復活と広義に捉えて欲しい

*7:奇しくもこれが日本人の科学技術の偏重を招いた

*8:実は、このように今でも引きずっている。次に大戦があったとき、ガンダム作っちゃうんじゃないかなw もちろん、一夜にして破壊さ...(ry

*9:第三の波、つまり情報化革命をもじった皮肉

*10:認識

*11:情報を正しく見ること

*12:哲学者のスピノザによる言葉。倫理学と掛けているわけではありませんよw