クリスマス・テロル―invisible×inventor

読みました。

と来て、ついにこれを読みましたヨ。でも・・・
これを読み終わったあと、作者に怒りすら覚える。これは読んでいる人を激昂させてしまうだろう。ストーリーに裏切られたから、内容がつまらなかったからではなく、トリックの問題でもない。終章の作者の女々しい泣き言が場違い甚だしいから。これは作者が物語の本文で絶対に書いてはいけない。フリッカー式から始まった、西尾維新のようなマンガから連想させるようなキャラクターを書くことをさけ、かといって純文でもミステリでもなく、既存のあらゆる価値感から少しずつエッセンスを折衷して作った、どことなく斜に構えた態度が佐藤友哉の持ち味だろう。世間の流行の中に存在する、格好良いものに対するアンチテーゼが彼を突き動かす動力だと思う。だから、作者が自分で認めているように、読者は本当に6000人程度しかいないかもしれない。だが、作者が作中で、「読者はもっと見る目があると思った。お前たちは結局保守的で、斬新な作品などみとめやしない」と泣き言を言うのは、終章を読んでいる読者の気分を酷く害させる。
人に認められたいから小説を書く。その発想自体が佐藤友哉の尊敬するサリンジャーの思想から程遠い。そんなに読者に好かれたいのであれば、毎度あとがきを書くなりして読者に近づけばいい。佐藤友哉に同情なんて一切無い。私は佐藤友哉のようにコミュニケーションから逃げたりしない。彼のように、読む前から物語を叩き壊したりはしない。
ユヤたんには、もう4000円近く払っていますよー。こういうスランプ後の一作目は面白い場合が多いので、"飛ぶ教室"も読むことにします(´ー`)
佐藤友哉はもっともっと認められないほうが面白い作品を書くと思うのは私だけではないはずです(笑)。彼を突き動かしている衝動は、劣等感だからですw 彼の言ったように、読者は保守的なわけではなく、飽くまでも、徹底的に冷静そのものなんですヨ。ロックミュージシャンとファンのように、高ぶった感情をリアルタイムで共感するのは小説では難しいです(==;)