狭き袋小路に陥る青少年

思春期の悩みは、死に繋がり易いです。それはきっと逃げ道がないからでしょう。今では新聞、テレビ、ラジオ等あらゆるメディアで人生相談をやっていますが、2000年頃、ある雑誌で見た人生相談の回答が私は一番好きでした。それはこんな相談内容でした。

ライターを志望する相談者

相談者A
私は雑誌の記者になりたいと思っています。高校を卒業したら直ぐにでもライターになりたいんですが、どうすれば良いでしょうか? 記事を書くことには自身があります。
回答者
とりあえず東京の大学に行きなさい。どうせ行くなら、レベルの高い大学がいいぞ〜

何に対しても無気力な少年

相談者B
最近何に対しても興味がもてません。ゲームにも女子にも興味がないんです。そんなわけで、何をするわけでもなく本を読んだりして過ごしているんですが、こんな無気力な自分でも大丈夫でしょうか?
回答者
人間とは不思議なもので、何もしないでいると何かをしたくなるものです。そのままの状態でアンテナを張って待っていればやりたいことが見つかるでしょう。

この回答者が何故か印象深く残っていまして、今でもはっきりと内容を覚えています。ぱっとみると特にたいしたことの無い回答に見えますが、本当に慈愛に満ちた回答ですよね。青少年に対して逃げ道を広い方向へ導いているところに優しさを感じます。未成年の悩みは、狭い方向へ狭い方向へと傾倒しがちです。そんな悲劇の袋小路を避けるように、またそのガイドを気づかれないように軽く回答しているのがステキです。
そのうち理不尽な目に合ったりして、世の中は理屈で割り切れなくて力任せに動いている部分を認めてしまえば妥協出来るようになるんですが・・・
つまり、他人に相談してみるのは意外と良いことなんだよー♪ってことです。年を取れば、この青少年のような悩みはなくなってしまいます。この程度の悩みといっては失礼かもしれませんが、こういったアドバイスは大人には非常に容易いんですね〜。子供は大人が自分たちのことを分かってくれないと思いがちですが、分かってくれればこれほど強い味方は居ないんです。