ライトノベルにみるラーメン化

2,3年前からラーメンがブームになって、あちらこちらで行列の出来るラーメン店を見かけるようになりました。ラーメンの良いところは、全く型に縛られずに自由な創作が出来るところです。つまるところ、おいしければそれで良いのです。
何時の頃からか、日本の文学って殆ど進歩することもなく、いつ本屋に行っても何時でも似たような文庫本しか置いてなく、相変わらず変わり映えの無い品揃えばかりです。
ライトノベルの初めての成功作品は、おそらくロードス島戦記です。角川文庫がライトノベルス用にスニーカー文庫というものを作ったのがきっかけで、この手のファンタジー小説がたくさん生まれることになりました。
今では相当有名な方でないと文庫本は作れない状況です。そこで文庫本を出版しようと思ったらライトノベルしかないわけで、若手の作家は限られたチャンスとしてライトノベルスがあるという実情もあるのです。ですが、ライトノベルに対する世間の評価は非常に低いので、ライトノベルを書くというだけで一種のレッテルを貼られてしまいがちです。しかし私たちユーザから見れば、そんな違いはどうでも良い訳でして、ただ面白ければそれで構わないのです。最近では特にライトノベルの”ラーメン”化が進み、私たちにとってみれば好ましい状況になっています。
文学そのものが日本の一部でしか共感を得られないような非常に限定された範囲で、且つ完璧な自己完結の作品など、これだけ作品が氾濫している中で作成するのは困難なのです。