[抽象]超顧客志向

むにゃむにゃ(´ー`)。最近は虫歯で歯医者さんに通う毎日です。私は小学生以来虫歯になったことがないのでかなり久しぶりの虫歯治療です。で、思うじゃないですかぁ。何をっていうと、21世紀の世の中だから、歯医者の治療も進化してレーザを当てるだけで虫歯が治るとか、そういうのを期待してたんですけど、ぜんぜん昔とやり方は変わらず、麻酔注射を打ってドリルで削るというトラディショナルな治療方法でした。もっとスマートな21世紀時代の治療を期待してたんだけどなぁ。ただ、麻酔注射がぜんぜん痛くなくなりました!これはびっくりです。何でも、以下の3つの工夫で痛みを無くしたそうですよ。

    1. 歯茎に針を刺す前に、霧吹き状に麻酔薬を散布し、刺す瞬間の痛みを軽減
    2. 細い注射針で、差し込むときの痛みを軽減
    3. 一定の圧力でゆっくり麻酔薬を注入することで注入中の痛みを軽減

なるほどー。そりゃ確かに痛くなくなりますね。すばらしいです。日本はこういう技術革新が得意そうですけど、きっと歯を削らずに一瞬で虫歯を治すような、そういう技術創造には疎いんです。だいたいそういうのはアメリカからやってきたりします。
私が良く思うのは、日本は超顧客志向だってことです。日本だけを見ていると、その超顧客志向のあり方に気づかない。注射器の工夫でも、家でも車でも、何でも顧客志向です。超顧客志向ですよ。ソフトウェアも顧客志向だったりします。でも、それが最善であるとは限りません。いつも常々思うのは、日本製のソフトウェアってすごく使いづらくないですか?やけに動作が重くて不安定で・・・あれは、無駄にGUIバリバリのインターフェースを作りこんでるからですよね。なんでそうなってしまったのか・・・順番を追って説明すると、たとえば、RPGゲームを例にして説明してみると

    1. まずはストーリ、システム重視で作りこみ。グラフィックなどの装飾は後回しだ〜
    2. 完成したので販売。独自のシステムとストーリが好評で、2を発売することに決定!
    3. 2のストーリを作ってみたんだけど、なんか話の内容が1と変わっただけで他は一緒だなぁ
    4. よし、2はグラフィックを3Dにしよう!
    5. 2も好評だったので、3ではムービーをふんだんに入れよう
    6. ・・・・・・

のようなステップで製作していることが非常に良く分かります。別にゲームに限らず、ありとあらゆるものがそうでしょう。でも、そのユーザへのやさしさがかえって仇となっているんですよね。無駄に重いGUI、親切すぎて逆にウザいユーザガイダンス、精細美麗すぎて見にくい画面、・・・・・・
海外には、今の日本にはない突き抜けた商品が多くあります。完全シーズ寄りで顧客要望を無視して作られたような、作成者本位の商品です。いや、もしかしたら顧客に日本人を想定していないからそう思うのかもしれない。とにかく、ブランド品のバッグや時計を好んで求めるのは、今の日本にはない、突き抜けたアイデンティティがあるからです。機能だけを見れば、あきらかに日本の安価な製品が上ですが、顧客ばかりを見ていても、それだけが正しいものではないですよってこと。テレビ番組が演出過剰になったのも、顧客のことをずっと考えて演出に工夫を重ねて番組を作り続けてきた成果です。「俺はちゃんとメディアリテラシー分かってるんだぜ!あの放送は間違ってる!」と声高に訴える人ほど、世の中の仕組みが見えていないものです。
だから、私は読み手を一切無視して、自分だけ満足できれば良いようなblogを書きます。読み手を意識するblogは、とてもとてもつまらない。読み手と一緒になってblogが発展しているときは楽しいですが、いずれ演出過剰・演技気味になって自己崩壊します。・・・まぁ、私がマメに更新できない言い訳ですけどね(;´ー`)ノ

結論
もっと思い切って自己本位なシーズでも構わないんだ。ただ、ニーズ寄りの方が確実にアベレージを稼げるので儲けを考えるとニーズだけどね。
追伸

日本がこれだけ顧客志向に貪欲になったのは、端的に言ってしまうと、敗戦の影響だろうなぁと思います。文化を一切合財かなぐり捨てて、ここまで顧客志向に走れる国は日本だけです。食文化もニーズに合わせて海外文化を取り入れて日本独自の文化さえも惜しみもなく捨てて、住居も最近では畳がない家が主流になりつつあります。他の国はここまで文化を捨てることはできやしない。海外への憧れなんてとんでもない。日本は戦争に負けてそれほど悔しかったんだ。私は、そんな日本の貪欲だけど透徹でまじめなところが結構好きです。