ナナミ

夢で見た人を、待ってるの... 夢の中の私が、すごく会いたがっているから・・・。

非常にさわやかな終わり方ですがすがしい。

平行世界のお話
なかなか楽しい話でした。私達の日常はifに溢れています。日々の生活の岐路となる分岐点― 「あのとき、こうしていれば…」。そのとき自分が執った選択とは違う選択の先に今とは違う人生があって、そんな世界が並行して存在していたらどうでしょう。そちらへ行ってみたいと思いますか? そんな話を分かりやすいメタファーとたくさんの夢で包んだのがこのお話でした。

そんな良い話の後に理屈っぽい私の話は些か無粋ですが、一応書いておきます(なぜなら此処は私のblogであるから)。
まずは物語というよりも、ストーリーテリングとしての根幹の話。私達は意識せずとも人に何かを説明するときには決まって"ある"方法をとっています。それはトートロジカルなインプリケーションを駆使することです(トートロジカルなインプリケーションとは言語的同値言い換えの意)。 何かを説明するということは、相手にとってそれは知らないことだから、説明するには工夫が必要です。そこで私達は無意識に何か喩え話をすることで、つまりメタファーを使うことで、説明するわけです。これは殆どの小説等の物語に使われており、ある程度意識していることでメタファーから作品のバックボーンとなる世界を垣間見ることが出来ます。水月の非常に優れていた点は、ピーターパンやシンデレラなど、誰にでも馴染みの深いメタファーから見事に、そしてきれいにゲームのバックボーンとなる世界を描いていた点にあります。これ以上は本当に無粋なので、屁理屈言うのは止めにしておきます。
夢の世界でまた会えると良いね。